御由緒

都賀町家中の総鎮守として、また「お酉様」として親しまれております鷲宮神社は伝えられるところによれば大同3年(808)の創建で、最初は思川の側にありましたが再三の洪水の為、朱雀天皇承平元年(931)現在の地に遷宮したとされています。

御祭神の天日鷲命(あめのひわしのみこと)は別名を天日鷲翔矢命(あめのひわしかけるやのみこと)と申し、阿波(徳島県)忌部(いんべ)氏の遠い祖先で楮(こうぞ)や麻(あさ)を植えて製紙・紡績の業を興し、皇祖天照大御神(こうそあまてらすおおみかみ)が天磐屋(あめのいわや)に御隠れになった時、白和幣(しろにぎたえ)を作り神々と共に祈祷せられ、磐戸開きに大きな功績をあげられた神様です。

その後、日本武尊(やまとたけるのみこと)の東征の際に東国治定や開発の為、日本武尊と共に三浦半島を経て船で安房国(千葉県)に移って来た忌部氏が、利根川を上るようにして東国を開発していくのに伴い、天日鷲命も広く祀られていきました。

弓削連(ゆげのむらじ)の祖でもある天日鷲命は、東国武士等に弓矢を作り始めた神様、武道守護の神様としても篤く崇敬されていたようです。

大己貴命(おおなむちのみこと)は大国主命(おおくにぬしのみこと)の別名で、一般には米俵を踏んまえて左肩に大きな袋を背負い、右手に打ち出の小槌を持った大国様(だいこくさま)として知られ、因幡(いなば)の白うさぎ等の出雲神話の主役としても親しまれています。

この大己貴命という神様の御利益はかなり広くて、家内安全、商売繁盛、さらには病気平癒から縁結びにまで及んでおります。