11月23日の例大祭に行われる、強卵式(ごうらんしき)と呼ばれる儀式は、お酉様ならではのたいへん変わった行事です。
山盛りにしたご飯を山伏が食べろ食べろと責める強飯式は、日光の輪王寺や粟野町の発光路等で有名ですがここ鷲宮神社では、頂戴人が山盛りにした卵を残さず食べろと責められます。
裃姿の強卵頂戴人たちは神主のお祓いを受けた後、御神前に拝礼をし、正座をして控えます。強卵頂戴人たちの前には初め、一升瓶のお酒が置かれています。そのお酒を神様の使いである天狗が清めの酒であるから一滴残らず飲み干せと責め立てます。
何とかその責めを乗り切ると、今度は大きな器に山と盛られた生卵を、一つ残らず食べつくすのじゃと責め立てられます。頂戴人たちはどんなに責められても卵を口にせず、有り難きこの卵は神様にお供えいたしますといって辞退します。その心掛けを良しとして、天狗たちが鷲宮神社の神様に御報告を申し上げるというあらすじです。
これは鷲宮神社へ御参りをする時、特に御祈願をする時には鶏肉や卵を断たなければならないという故事に因んだ儀式です。
この故事を、もっと広く氏子さんたちに知ってもらいたいという願いから行われるようになりました。